2023年度 国際熊野学会 合同例会 in 紀の川市
後援:紀の川市教育委員会、西行学会
◆テーマ 「西行のふるさと(伝承)を訪ねて」
◆と き 令和6年3月10日(日)・11日(月)
◆ところ 紀の川市打田生涯学習センター(和歌山県紀の川市西大井363番地 ℡0736-77-3140)
3月10日(日) <合同例会>13:30~17:00
13:30 基調講演 「紀の川市と中世の歌人・西行」
皇學館大学名誉教授・国際熊野学会副代表 半田 美永氏
14:20 セミナー 「紀州路を旅する西行」
松本大学講師・西行学会常任委員 中西 満義氏
15:20 セミナー 「西行和歌の熊野」
上智大学文学部名誉教授・西行学会初代会長 西澤 美仁氏
16:15 座談会 西行対談「西行の和歌と人生」(司会:半田 美永氏)
<懇親会>18:00~ 岩鶴屋(紀の川市中三谷127 ℡0736-77-3024) 6,500円(現地集金)
3月11日(月) <見学会>10:00~ 竹房の西行生誕地 → 粉河寺 → 粉河駅で解散
■宿泊について
宿泊は各自でご手配ください。
ホテルルートイン紀の川などあります。(紀の川市中井阪317番地1 ℡050-5211-5811)
■参加申し込み方法(葉書もしくはリンク)<2月22日(木)必着>
ハガキ:葉書をご用意いただき、住所、名前、連絡先をご記入の上、下記の西行学会担当者までお送りください。
リンク:下記リンクよりお申し込みください。
(https://forms.gle/sCpn1eQdvj7XBx8N7)
■問い合わせ先
□川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科 橋本美香研究室内
西行学会事務局気付 国際熊野学会受付担当 中西満義
〒701-0193 岡山県倉敷市松島288 E-mail saigyoujimukyoku@gmail.com
□国際熊野学会熊野事務局(新宮市教育委員会文化振興課内)
℡:0735-23-3368/Fax:0735-23-3370/E-mail:kokusaikumano33@gmail.com
企画委員会
「西行の旅と文芸―時空の超越―」
2017年EAJSリスボン大会サテライトフォーラム
西行生誕900年記念「西行の旅と文芸―時空の超越―」のご案内
主催 西行学会
ポルトガル リスボン大会を下記の要領で開催予定しています。
日時:2017年8月29日(火) 13:00~17:30
場所:ポルトガル 新リスボン大学 T10 Room
■パネル1 旅する詩人-西行と世界の詩人たち―
Organizer
阿部泰郎(名古屋大学)
Yasuro Abe(Nagoya University)
Panelist
西澤美仁(上智大学)
Yoshihito Nishizawa(Sophia University)
浦一章(東京大学)
Kazuaki Ura(University of Tokyo)
水戸博之(名古屋大学)
Hiroyuki Mito(Nagoya University)
■パネル2 西行文芸の翻訳と翻案―時空の超越―
Organizer
近本謙介(名古屋大学)
Kensuke Chikamoto(Nagoya University)
Panelist
エリザベス・オイラー(ピッツバーグ大学)
Elizabeth Oyler(University of Pittsburgh)
アラリ・アリク(タリン大学)
Alari Allik(Tallinn University)
平石典子(筑波大学)
Noriko Hiraishi(University of Tsukuba)
2017年EAJSリスボン大会サテライトフォーラム
西行生誕900年記念「西行の旅と文芸―時空の超越―」
主催:西行学会
【趣旨文】
2018年、西行法師は生誕900年を迎える。西行学会は、日本文学、文化の諸領域に「西行」がいかに多様に進出しているのかを考えることを目標に2009年4月に設立されたが、この節目の時期にあたり、EAJSリスボン大会においてサテライトフォーラムを開催することによって、国際的にも「西行」を発信し、その存在意義を広め、また問うことによって、新しい西行学の視座を獲得したいと考える。
フォーラムにおいては、以下の二つのパネルを通じて、西行の旅と文芸の問題を多面的に議論する。
まず、第1パネル「旅する詩人-西行と世界の詩人たち」では、西行を考えるにあたって、常に問題となり続けた「旅」をテーマとする議論を行う。「旅」については、「巡礼」「漂泊」「放浪」、または運命的な「流刑」「逃避行」なども含めて考える。「旅する詩人(歌人)」という視点で西行を普遍的にとらえ、『西行物語絵巻』(『一遍聖絵』なども対象に含める)といった旅によって描き出された風景なども射程に入れつつ、日本に限らず、他の世界の詩人たちとの比較を主眼とする。その場合、テクストや作品世界を対象化しながら、その旅の詩人の像を介した文化論にまで及びたい。大航海時代の新世界への旅と変革の出発地で行うのにふさわしい内容としたい。
続いて、第2パネル「西行文芸の翻訳と翻案―時空の超越―」では、西行像の形成と展開を考える視点として、翻訳と翻案の問題を取り上げる。これは、西行学の海外展開を意識した試みであると同時に、西行の文化史形成と翻訳と翻案の問題とが、いかに密接に結びついているかを検証する意図に基づいている。西行の和歌や伝承は、現代では多くの言語に翻訳されているが、翻訳という営みが文化的背景と深く結びつく点に着目しつつ、翻訳を介した西行像形成の諸相について議論を深めたい。同時に、日本の文芸史においても、西行像は、説話・絵巻・能の世界等に翻案されつつ形成されてきた。翻案の視点から、伝承・絵画・芸能への展開の諸相を分析することは、時空を超えて西行の文化史を見定めることになるであろう。
こうした二つのパネルによる「時空を超越した西行の文化史の探求」は、旅と文芸との関係とも切り結びながら、世界文学の中に西行を定位することにつながるものと確信するものである。
第三回 西行学会冬季 福島猪苗代大会のご案内
西行学会では12月13日(土)・14日(日)に福島県猪苗代町・いわき市において、冬季大会を下記の要領で開催予定しています。なお、会員以外の一般からのご参加も大歓迎です。奮ってご参会ください。
主催 西行学会
会場:国立磐梯青少年交流の家(福島県耶麻郡猪苗代町字五輪原7136-1)
■第1日目 12月13日(土) 13時~17時
【公開講演】(13時~14時40分)
桧原峠を越え行く西行 山形大学 菊地仁
小平潟天満宮の再興と初代会津藩主保科正之の業績 野口英世記念館 小桧山六郎
【シンポジウム】天満宮と西行(14時50分~17時)
【パネリスト】
小平潟天満宮のご宝物 福島県立歴史博物館 川延安直
小平潟の「西行戻り橋」 國學院大學 花部英雄
天神信仰と「西行」 上智大学 西澤美仁
【司会】
東海学園大学 小林幸夫
大阪大谷大学 松本孝三
【懇親会】20時~22時
於 国立磐梯青少年交流の家
【宿泊】国立磐梯青少年交流の家
福島県耶麻郡猪苗代町字五輪原7136-1 TEL 0242-62-2530
■第2日目 12月14日(日) 08時30分~15時
【臨地研修】
貸切バスにて移動 08:30に宿舎出発 15:00頃、JRいわき駅にて解散予定
見学地 猪苗代町小平潟 西行伝承地
いわき市遠野町滝 鮫川渓谷龍神峡「西行歌碑」・いわき市久之浜「西行歌碑」
いわき市津波被害地
大会事務局 國學院大學文学部 花部英雄研究室
〒150-8840 東京都渋谷区東4-10-28
TEL 03-5466-0224 FAX 03-5466-0368(日本文学資料室)
第二回 西行学会冬季 富山・礪波大会のご案内
西行学会では11月23日(土)24日(日)に富山県砺波市において、冬季大会を下記の要領で開催予定しています。なお、会員以外の一般からのご参加も大歓迎です。奮ってご参会ください。
主催 西行学会
会場:砺波散居村ミュージアム(富山県砺波市太郎丸80番地)
■第1日目 11月23日(土) 13時~17時45分
【公開講演】(13時~15時)
西行伝承地般若荘の転変―失われた源平争乱期の砺波郡史― 元富山県史編纂専門委員 久保尚文
西行の月の歌 成城大学 小島孝之
【シンポジウム】砺波・越中・北陸の西行伝承(15時15分~17時45分)
【パネリスト】
西行塚の石碑とその伝承 砺波市文化財審議委員 尾田武雄
越中における平安末期の人物伝承 高岡市児童文化協会副会長 樽谷雅好
民間説話の中の西行―北陸の伝承を中心に― 大阪大谷大学 松本孝三
【司会】
独協大学 宇津木言行
学習院高等科 山本章博
【懇親会】18時30分~20時00分
於 勤労者保養センター 越中庄川荘
【宿泊】学会提供宿泊施設 勤労者保養センター 越中庄川荘
富山県砺波市庄川町庄4898-4 TEL 0763-82-5111
■第2日目 11月24日(日) 09時~14時
【臨地研修】
貸切バスにて移動 09:00頃に宿舎出発 14:00ごろ砺波駅にて解散予定
見学地 市内の西行関係や名所など。昼食後に解散
大会事務局 國學院大學文学部 花部英雄研究室
〒150-8840 東京都渋谷区東4-10-28
TEL 03-5466-0224 FAX 03-5466-0368 (日本文学資料室)
第一回 西行学会冬季 那須大会のご案内
西行学会では12月1日(土)2日(日)に栃木県那須塩原市において、冬季大会を下記の要領で開催予定しています。なお、会員以外の一般からのご参加も大歓迎です。奮ってご参会ください。
主催 西行学会
共催 下野民俗研究会
那須文化研究会
会場:那須野が原博物館(栃木県那須塩原市三島)
■第1日目 12月1日(土) 13時~17時
【公開講演】西行の〈霊験〉―止雨の歌をめぐって―
藤女子大学 平田英夫
【シンポジウム】 那須の西行・芭蕉と伝承
【パネリスト】
那須の西行伝承をめぐって 大田原市なす風土記の丘湯津上資料館 木村康夫
松尾芭蕉と那須 大田原市黒羽芭蕉の館 新井敦史
那須野をゆく西行と芭蕉―「野」の伝承を歩く― 東海学園大学 小林幸夫
【司会】
國學院大學 花部英雄
國學院大學兼任講師 小堀光夫
【懇親会】18時00分~20時00分
於 大田原市ふれあいの丘 シャトー・エスポワール TEL 0287-28-3131
■第2日目 12月2日(日) 09時~14時30分 臨地研修
「那須の西行・芭蕉のゆかりの地を訪ねて」 遊行柳 那須神社 奥州道中 他
大会事務局 上智大学(西澤研究室) TEL 03-3238-3950
大会委員会 國學院大學文学部 花部英雄研究室
〒150-8840 東京都渋谷区東4-10-28
TEL 03-5466-0224 FAX 03-5466-0368 (日本文学資料室)
(注)内容に一部変更がある場合もありますのでご注意ください。
説話・伝承学会・西行学会共催 シンポジウムのお知らせ
期日 2012年1月21日(土)午後2時から5時半
会場 名古屋大学東山キャンパス 野依記念学術交流館
シンポジウム 14:00~17:30
「西行伝承とは何か」
開会挨拶
パネリスト報告 14:10~16:00
西行伝承の研究史 花部英雄(國學院大學)
西行問答譚の展開 中西満義(上田女子短期大学)
民俗社会の西行伝承 松本孝三(大阪大谷大学・非)
司会 木下資一(神戸大学)
休憩 15分
討議 16:15~17:30
閉会挨拶
【懇親会】 18:00~20:00
(説話・伝承学会/西行学会/花祭の未来を考える実行委員会 三団体共催)
会場 名古屋大学 学内レストラン(参加費 学生・院生 三千円/一般 五千円)
〔説話・伝承学会委員会〕 11:30~13:30 委員の方は、ご参加ください。
〈注意〉会場は野依記念学術交流館。弁当は、各自ご用意ください。
当日午前中および翌日、同会場にて名古屋大学阿部泰郎先生による企画が予定されています。こちらにも奮ってご参加ください。
〈同時開催〉花祭の未来を考える実行委員会 主催
「花祭の保存・伝承と地域連携(1)ー花祭の世界を受け継ぐためにー」
1月21日(土) 10:00~12:30 会場 野依記念学術交流館
08:30 開場・受付開始
10:00~12:30 セッション「霜月祭のコスモロジー」
趣旨説明 阿部泰郎(名古屋大学文学研究科・花祭の未来を考える実行委員会副会長)
講演1 鈴木正崇(慶應義塾大学)「湯立て神楽のコスモロジーー遠山霜月祭の考察ー」
講演2 斎藤英喜(仏教大学)「浄土神楽の系譜といざなぎ流」
1月22日(日)08:00 開場・受付開始
08:45 挨拶 濱口道成(名古屋大学総長)
08:55 花祭の保存・伝承による地域活性化事業についての趣旨説明
小嶋直也(愛知県地域振興部地域政策課山村振興室)
09:00~11:30 セッション「花祭の継承からみた映像記録の意義」
11:00~13:00 昼食休憩
13:00~14:30 花祭実演(豊根村下黒川地区・東栄町中設楽地区)
14:45~16:45 パネルディスカッション(参加者全員)
16:45~17:00 総括と閉会の辞
会場へのアクセス
名古屋市営地下鉄 名城線「名古屋大学」駅下車
(JR名古屋駅から地下鉄東山線にて「本山」駅へ。「本山」駅で名城線に乗り換え一駅。
名古屋大学駅の2番出口より徒歩5分程度です。)
〒464-8601 名古屋市千種区不老町 名古屋大学東山キャンパス
会場校連絡先 阿部泰郎研究室 電話/FAX 052-789-2288
二〇一一年度一月例会 説話・伝承学会/西行学会共催 於名古屋大学会場 2012.1.21(土)
シンポジウム「西行伝承とは何か」報告 要旨
「西行伝承の研究史」
國學院大學 花部英雄
民間伝承としての西行話の先鞭をつけたのは、柳田国男、中山太郎の民俗学者で、民俗の視点からとらえた。しかし、研究はしばし閑却された状態であったが、昭和14年に臼田甚五郎が「西行と歌謡」を書く(この歌謡の立場からの研究は、50年後の須藤豊彦へと続く)が、その後昭和40年代に入って、伝承研究の立場から三谷栄一、稲田浩二らが西行の昔話に注目した。続いて、目崎徳衛、伊藤博之など西行研究者からの伝説、伝承歌へのアプローチがあり、そして昭和60年には永井義憲により民俗語彙「サイギョウ」の指摘へと続く。
平成に入ると、有志による「西行伝承研究会」が立ち上がり、ここに所属する国文学や民俗学研究者による共同の調査や研究が進展する。西澤美仁、小林幸夫、菊池仁、松本孝三、木下資一、坂口博規、宇津木言行、小堀光夫、花部英雄などが諸論考をものし活況を呈していく。そしてこのメンバーが中心となって、平成21年に西行学会が発足し、会誌『西行学』が刊行される。西行を総合的に研究する学会の一翼を西行伝承研究が占めたことは、市民権を得た証といえよう。
西行伝承の研究対象の何が、どのように研究されてきたかを跡付けて整理し、評価を加えていくことは、今後の研究の指針と発展を示すことになろう。実際の報告では、以上の流れとそれぞれの研究内容の差異に言及する。
「西行問答譚の展開」
上田女子短期大学 中西満義
西行伝承の典型をなす話型のひとつに問答譚がある。それらの中には、西行の歌人としての才能が発揮され、歌詠みとしての面目が保たれるものが存する一方、多くは土地の人(女性、童子、老翁など)と歌を掛け合い、あるいは誹諧問答を交わし、負かされてその場を立ち去るといった結末が採られている。退散する西行、嘲笑される西行は、異人(余所者、漂泊者)差別の影響のもと、それらを忌避、あるいは排除する意識の中で形成されたとする捉え方があるが、別の視点を設けることも可能ではないだろうか。
本報告では、西行問答譚の中から、登場する土地の人々はじつは神や仏の化身であったとする話を取り上げ、該話形成の過程の中に、かつては顕示されていた神や仏の霊威を確認し、それをいまに示すという意図が存したのではないかという仮説を提示したい。そのことを具体的に語るために、負かされるに相応しい人物、神や仏と対峙する資格を有した人物として西行が選ばれたとするならば、それは実西行に認められる属性とも無関係ではないと思われる。
「民俗社会の中の西行伝承―若狭・越前を中心に―」
大阪大谷大学(非) 松本孝三
西行の昔話、伝説からのアプローチはまだまだ未知の部分が多いが、福井県の若狭から越前にかけて意外に西行伝承が多く見られる。小浜市には西行清水や白玉椿の伝説が伝わっており、かつて「若狭の西行伝説―小浜周辺の伝承圏をめぐって―」で、江戸時代初期、小浜の京極家に身を寄せていた斎藤徳元やその近辺の人々の動きから、連歌師や狂歌師といった文人の活動が西行伝説の形成に寄与するところがあったのではないかと推測してみた。
今回はそのほかに、越前地方の西行伝承についてもすこし考えてみたいと思う。例えば福井市冬野町の冬野寺には、西行がひと冬をそこに過ごし「今ぞ知る垣根を埋む白雪の寒さはげしき冬野寺とは」の歌を詠んだという言い伝えがあるが、その地には別に宗祇にまつわる伝承もあるのであった。また、その近くの福井市角原町の文殊山にはよく知られた「富士見てもなににかはせん角原の文殊が岳の雪のあけぼの」という西行の詠んだという歌が伝えられているのである。それらの伝承について紹介し、少し憶測を述べてみようと思う。
また、昔話や伝説の西行を享受する在地の民俗社会のありかたについても時間があれば触れてみたいと思う。